仏像との出会い
私が
仏像に興味を持ったのは7才の頃でした。鹿児島の田舎生まれで祖祖母が毎月、菩提寺へ参詣に連れて行ってくれ、そこで黄金色の大きな仏像、
本願寺派阿弥陀如来さまですがご宝前に鎮座されている様子がとても荘厳で一種のあこがれで興味を持ったんです。祖祖母も住職の法話より、当時は何も娯楽がない時代で、その上に片田舎のことですから、法話の後の浪曲が楽しみだったようです。テレビのない時代ですから、テレビアニメのようなヒーローも知らないので、犬や羊、杉の木など私より大きいものは、小さな体の私にはお寺の大きな仏像の一種に見えたもので、手を合わせては拝むまねをしていました。
アイアム 仏像
高校時代には、宗教や仏像に大変関心を持つようになり仏教系の大学に入り、随身となってお寺で修行するうち仏師として独立する決心をしました。それからは色々艱難はありましたが、仏像が私をいやしてくれ、また育ててくれ、また生計をも立ててくれたんです。
だから、私は、何なんでしょう、仏像の申し子とでも言いましょうか、アイアム 仏像なんです。
今、時代は内外共に大変に混迷しており、人々はご苦労なさっています。物質的な豊かさだけでは得られない心のやすらぎを仏像に求めている現象が今の仏像ブームではないでしょうか。私が仏像のホームページを作り始めたのは今から10年くらい前ですが、インターネットの普及で、あの頃に比べたら仏像に関しての情報量がぐーんと飛躍的に増えました。
ここに、皆さんが仏像に更に興味を持ち、いやされ、幸福な人生となりますよう、仏像に関する面白い話なども交えて仏像事典や仏像の知識だけでは語れないお話を執筆していきたいと思います。
平成21年7月7日 仏師 松田 瑞雲拝